幼少期に身に付いた価値観や自分ルールは大人になると、その価値観やルールが幸福を阻害する要因になることがあります。そんな時は価値観やルールを見直さなければなりません。幼少期に作ったルールを大人になってからも適応していると、それではうまくいきませんよね。大人が子供服を無理やり着ようとしているようなものです。
まるさん
「インナーチャイルドについてご教示いただけませんか」
20代の女性です
昨日、動けない・できないと悶々としてダラダラしていたところ
今朝の夢の中で「境界が大事」という言葉がでてきました境界ってなんだろう、と調べてみると「バウンダリー」と言うらしい、ことを知りました
また、記事を読み進めていくと「インナーチャイルド」というワードも見つけました実は、2歳のころから数年間、治療 (絶対安静・食事制限・薬物治療) していて、10歳くらいまでの記憶があまりないのです
その記憶も自発的なものは少なく、大抵は両親から後から聞いた話や写真のイメージです
最近、様々な記事を読んだり、ノートセミナーに出席したりして、感情が大事だ!ということは理解できてきたのですが、肝心の感情はいまいちよくわからず…
どう思う?と聞かれても、うーんとなってしまいます資格試験を数週間前に終えて、これから社会人というものの
これからどうしたい?はもとより、今どうしたい?何がしたい?自分はどうしたい?もよくわかりません「インナーチャイルド」という言葉が気になるので、なにかそこにヒントがあるような気がしています
どうかご教示いただけないでしょうか
まるさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。
かかりつけカウンセラーの伊藤です。
動けない、出来ないと悶々としている中、バウンダリー、インナーチャイルド、感情が大事だ、というワードが気になっているのですね。
それでは今のまるさんの状況を分析させてもらいますね。
◆
バウンダリー とは境界線のことですね。心理学的には私と他者との境界線が明確になっていないことが問題を起こしている、というような感じでよく使われます。癒着や共依存のような関係性の場合は「境界線を明確にしていく」ということが課題となります。
これをまるさんに当てはめてみますと子供と大人、子供から大人へという境界線上に今おられるのだと思います。社会(これまでとは違う世界)に出る時を迎え、期待と不安が出てくるものです。そこには明確な違いがあるのですが、気持ち(感情)には明確な境界線はありません。明日から社会人として出社する、といっても感情は明日になると社会人のマインドになっているわけではないですよね。社会人としてのマインドは実際には社会に出てから作られていくものです。
インナーチャイルドは幼少期に満たされなかった感情が大人になってからの言動に現れるという考え方でよく使われますね。
そこでまるさんは治療されていた頃のことを思い出されたのですね。その時のことが、今のまるさん(どうしたい、何がしたいはわからない)に影響を及ぼしているのかな?と気になったのではないでしょうか。
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確かに「どうしたいのか?何がしたのか?」がわからないと動けないものですよね。 それがインナーチャイルドに起因しているとしたら... その当時、治療のために制限が多い生活をされていたことで、したいこともできず、食べたものも食べれず、自分の気持ちを我慢や抑圧するばかりだったのかな、ということが想像できます。
治療時期に「我慢や抑圧」していたことが、その後は癖となって残り、治療が終わってからも何かと「我慢や抑圧」してしまうようになった、と考えることも出来ます。その時作られた癖(思考や行動のパターン)が大人になった今でも残っているのかもしれません。
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また別な角度から話してみます。
20代前半、社会人になる、もしくは、なって間もない時期までは一般的には「自分が何をしたいのか?何が向いているのか?将来どうなりたいのか?・・・」これらの問いに明確な答えを持てっている方は少数派だと思います。この時期から夢や目標に向かって頑張っている人がいると目立ちますし、そういう人を見ると羨ましいな~、私なんて夢や目標って言われてもまだ何も浮かばないな~、と感じることもあると思います。 そういうものは20代後半から30歳くらいまでにだんだんと明確になっていくのが、一般的とされています。
そう考えてみると今まるさんが「どうしたいのか?何がしたのか?」よくわからなくても、不思議ではありません。感情がいまいちわからない、というのも特別なことではないと思います。(ちなみに伊藤は30代後半になるまで、泣くとか、寂しい、というような感情がわからず、どうしたら泣けるの?寂しいってどんな感じ?って思っていましたよ)
「気になる」が大事なんです!
とは言え、気になりますよね。
そうなんです、その「気になる」ことが大切なんです。
今はその「気になる」ことを何でも調べたり、体験したり、「気になる」に近づく、触れることをたくさんする時期なんです。
治療時期にはその「気になる」気持ちを我慢しなくてはいけませんでした。抑圧されてきました。 しかし、大人なった今はその「気になる」気持ちを我慢したり、抑圧したりする必要はありません。癖を発動させてはいけません。
「興味」のある方向へ進んでいってください!
どうぞ、「興味」のある方向へ進んでいってくださいね。
大人とは「公序良俗」法律や社会のルールにさえ抵触しなければ、自由に、制限なく、自分の道を選べるのです。嫌なことや傷つくこともあるかもしれません。それでも自由を味わえることは人生を充実させてくれる要因に違いありません。
「どうしたいのか?何がしたのか?」
その問いに大きな意味を持たせる必要はありません。
「今日お寿司が食べたい、インナーチャイルドって何?」それくらいの気持ちと興味があれば良いのです。
もしも嫌なことや傷つくことがあったら、ご相談ください。そのときはなんとか致します。
今回の回答は以上となります。
まるさん、応援しております!

まるさんは何かの資格を取られたり、様々な記事を読んだり、ノートセミナーに出席されたりしているのですね。もし、心理学やカウンセリングの世界にご興味がありましたら、少し学んでみるのも良いでね。心理学は面白いですよ。実生活にも役に立つことがとても多いです。 お待ちしてますよ~笑
20代と聞きますと「若い」と最初に反応してしまい、ついついおじさんが発動して、説教じみた言い回しをしてしまいました。(^^;
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