私たちの「この関係って何なの?」
それって「私って何なの?」と同意語かもしれません。
自分がどうしたいのか、わからないまま、ずるずると不倫を継続していたり、不倫でなくとも、なんとなく中途半端だと、自分で感じてしまうような関係を続けてしまうようなこと、みなさんはありませんか?
「自分の気持ちがわからない」「私って何なの?」と感じた時に、そこにはどんな心理があるのでしょうか? どうすれば自分の気持ちに気づけるのでしょうか?
今回は「癒着」が課題としてあるようです。「癒着」は自らを失います。
まりんさん
「バツイチ彼氏との関係について」
はじめまして。彼とは5年くらいのお付き合いで仕事のパートナーでもあり元々はお互い既婚でした。
昨年、彼が離婚し元奥様やお子さんと別居しました。
彼は1人自宅に残され寂しさもありかなり落ち込んでいましたが、徐々に元気になり私とも外出するようになりました。
元奥様とは養育費の事などで揉めていて、子供たちには会いたい気持ちはあったのでしょうが、また奥様を前妻と呼び着信拒否したり私に愚痴をこぼしたりしていました。
1番がいなくなってしまったから、あなたは繰り上げだねと言われたり、あなたがいるから他に女も作らないし、再構築も考えていないと言っていましたが、最近仲違いが解消されたのか、元奥様や子供たちと連絡を取り合っているようなんです。元々、ぶれやすい性格なのか、言うことに一貫性がないなとは思っていたのですが、元奥様たちと仲良ければそちらにいき、そうでなければ私のところに逃げるような一面もある気がしています。
機嫌がよければ言わないのですが、「変に勘繰るなら2度と食事に行かない」などと突発的に言われます。元奥様の文句を言う時は散々言うけど、仲良くなれば話をしなくなり勘繰っていると不機嫌になられては、私の気持ちもぶれてしまいます。
私の気持もわからずご相談しました。
まりんさん、こんにちは。
かかりつけカウンセラーの伊藤です。ご相談、ありがとうございます。
さっそくですが、言いにくいことから言わせていただきますね。これからひどいことを言うかもしれません。(怒る準備はいいですか)
このご相談、誰かにされましたか?(相談されていたら、相手にはなんと言われましたか)
仮に誰かに相談したとしたら、なんて言われると思いますか?
十中八九「そんな彼やめとき-」と返ってくるのではないでしょうか。
どう読み取っても、伊藤が、いや読者の方もそう思うのではないでしょうか。
「繰り上げだね」とか「変に勘繰るなら2度と食事に行かない」なんてこと言われたら普通は「カチーン!」とくるものではないのでしょうか、きっと読者の何人かの方は切れまくっていると思います(笑) 自分のことでなくても怒りたくなるほど、ひどいセリフだと思います。
◆
ですが、今のまりんさんはそんなことを言われても「怒る」とはならないのでしょうか、きっとそれ以上に彼の良いところが見えているのでしょう。もしくは彼と一緒にいるメリットを感じているのでしょう。仕事のパートナーでもある、ということも関係しているのかもしれません。
◆
「自分の気持ちがわからない」この状態であるとき、原因の1つに「癒着」あります。
(まりんさんも今は離婚されえいるのでしょうか?)
今まりんさんが感じているお気持ちは自分の気持ちなのか、どうか…
今まりんさんが感じているお気持ちはその彼の気持ちかもしれません。
まりんさんの(元)夫の気持ちかもしれません。
お父様の気持ちかもしれせん。
ちょっと想像してみてください。
バツイチの彼以外にも当てはまる人はいませんか?
・1人自宅に残され寂しさもありかなり落ち込んでいた人は彼だけですか
・養育費の事などで揉めていたり、子供たちには会いたい気持ちがあったのは彼だけですか
・元のパートナーを着信拒否し、愚痴をこぼしていたのは彼だけですか
・ぶれやすく、言うことに一貫性がない人は彼だけですか
・良い時は近づき、、そうでなければ逃げるような一面があるのは彼だけですか
・不機嫌な時に突発的に極端なことを言うのは彼だけですか
◆
自分の感じているものが自分の気持ちなのか彼の気持ちなのか、それとも複数人の気持ちが重なっているのかもしれません。誰かと精神的、肉体的に癒着があるとき、自分という存在がわからなくなっていくことがあります。
まりんさんの中に誰かとの癒着があるとしたら「私の気持ちもぶれてしまいます」とあるのも腑に落ちます。癒着が考えられる人の特徴は「私は」や「私が」という主語が少なくなる、ということがあります。
「私の気持ち」を私自身が認識することで彼との関係や今後の方向性はおのずとはっきりとしてくると思います。
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「癒着」が強い時はそれを剥がすときには「痛み」が発生します。
癒着に気づいたときは出来れば少しでも早くその癒着を切ることをおすすめいたします。「癒着」は自らを失います。自分の気持ちを失うと、本来ある、喜びも悲しみも、怒りや悲しみも、まるでそんな感情が「ない」かのように自分を扱うようになります。今回の相談文でまりんさんが「怒っていない」ことが懸念されます。
◆
まりんさんは怒ることが苦手かもしれませんが、これから「怒る準備」をしてください。怒るにも正しい「怒り方」というものがあります。
「怒ると怖い人」っていますよね。ただ叫び散らかすくらいならいいのですが、怒りの表現は時に自分や人を傷つけることを目的としてしまうことがあります。また怒りの向け先を自分の身体に向けてしまい、病気として表出することもあります。
「癒着」を剥がしていくにはまず自分の感情を感じていくこと。
感情を感じると最初に出てくるのは「怒りの感情」です。
(感情を取り戻す、感情を感じる、正しい怒り方についてはまたの機会に)
まずは日常の中で出来ることは話すとき、書くとき、いつも主語を「私は(が)」と意識するようにしてみてください。
そうすることで私の気持ちを常に意識できるようになっていくはずです。
今回はここまでです。
ありがとうございました。
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